理事長挨拶

理事長挨拶

 2022年度から2期目の理事長を拝命しております、日本赤十字広島看護大学の百田武司です。

 日本脳神経看護研究学会は1974年に設立され、脳神経看護の実践の質の向上、役割拡大、それに学術的発展を目指し、国民の健康ならびに福祉に貢献すること等を目的に活動しています。会員は、脳神経看護分野の実践者と研究者等で構成され、1,215 名の会員(2022年4月現在)を有します。また、全国10の地方部会(北海道・東北・北陸・新潟・関東・東海・関西・四国・広島・九州)を組織し、各地方部会では、セミナーや研究発表会の開催等、精力的に活動しております。

 学会設立48年目を迎え、COVID-19やウクライナ情勢など、社会情勢が劇的に変貌している中、本学会の舵取り役として、決意を新たにしています。理事・監事・評議員をはじめ、会員の皆様と一緒に、学会の使命、重要性を一層浸透させるべく、皆様のご期待にそえるよう、努力する所存です。


 さて、2018年に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立し、発症直後の迅速な対応、その後のリハビリテーションの実施や再発・重症化予防など多職種が介入するチーム医療の重要性がますます求められています。このような中で、脳卒中医療に関連する各種学会(看護師、医師、社会福祉士、介護支援専門員、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士等)が協働し、職種を超えて脳卒中医療の向上や政策に取り組む「一般社団法人日本脳卒中医療ケア従事者連合」が、2021年12月に設立され、本学会も加入しました。この団体が中心となり、「脳卒中相談窓口マニュアル」を作成することとなり、看護師の作成メンバーとして、本学会が、日本ニューロサイエンス看護学会と共に参加させていただきました。

 2022年度中に一次脳卒中センターのコア施設に「脳卒中相談窓口」が設置されます。「脳卒中相談窓口」では、必須の構成員として、常勤の脳卒中に精通した看護師 (脳卒中認定看護師が望ましい)とされています。脳卒中看護分野の認定看護師の養成は、本学会が中心となって日本看護協会に働きかけ、2010年に脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程が認可されたものです。2021年12月現在、脳卒中看護分野の認定看護師は、793名(うち、22名は、2021年度からの認定看護師制度の改正に伴う脳卒中看護認定看護師)が登録されています。しかしながら、脳卒中看護分野の認定看護師教育の継続が岐路に立っており、今後の脳卒中認定看護師教育について、理事会・評議員会で検討していきます。

 本学会が担う役割は非常に重要で多大です。是非、皆様のご協力のもとに少しずつ着実に達成していけるよう努めてまいります。皆様のご支援、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2022年7月



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 本学会は、1973年第1回国際脳経外科看護学会(当時)(現World Federation Neuroscience Nurses=WFNN)が第4回国際脳神経外科学会と同時開催(東京)されたのを機に、その翌年(1974年)に設立されました。約半世紀にわたる諸兄姉の脳神経看護への熱意と至誠により、学会としての盤石な組織基盤が築かれつつあるといっても過言ではありません。

 学会活動として特筆すべきは2010年に脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程が認可され、他分野に例をみない飛躍的な早さで当該分野の認定看護師が育成されております。また、2013年、第11回世界脳神経看護学会(岐阜,2013)の誘致の際には会員が結束してその準備にあたり、結果として国際的学術交流の舞台において学会の存在を国内外に知らしめるまでに成長してまいりました。

  現在、学会運営は統括的な役割を担う組織運営委員会のリーダーシップのもと、全国10の地方部会(北海道・東北・北陸・新潟・関東・東海・関西・四国・広島・九州)により構成されています。とくに地方部会独自の主体的な取り組みは今後ますます学会を活性化し、その成長と発展に繋がるものと確信しております。

文責 前理事長 武田保江
石山光枝 2007年4月1日ー2014年3月31日

武田保江 2014年4月1日ー2020年3月31日

百田武司 2020年4月1日ー現在